第26回 家の建材だって生産者の顔を知りたい
低温乾燥させた杉素材を使って建てられた家を訪れました。床はもちろんのこと、天井も、トイレも風呂場も、台所も、ベッドも、どこもかしこも低乾燥させた杉の木を使っています。(一部、松などを使用している部分もあります)
ここで使っている杉の木は、すべて45度で乾燥しているから、生きている木。つまり呼吸をしています。だから、冬は温かく、夏は涼しい環境を提供してくれます。
玄関に立つだけで、すでに杉のよい香りが。中に入ると、思わず、「ああ気持ちがよい!」と感動する空間が広がっています。「こだわりの家」だけに、木材は通常の家の2倍半以上使用しているのです。
基本的に木材以外のものは使わず、ベニヤ板や新建材はいっさい使っていません。壁紙はイグサを使っています。
全部が天然素材で、石油系の化学物質はゼロです。シックハウス症候群などが気になる現在、このような家に住めるのは最高の贅沢。素材そのものが呼吸し生きているからこそ、人間も生かされるのです。
呼吸している木材ならでは、夏は涼しく、冬は暖かいというメリットがあるためエアコンがありません。まさにこれからの時代にふさわしいエコ住宅。2階の広々とした天井からは大きな扇風機が空気を循環させていました。
杉は人間の波長にあっているといいます。特に日本に多く生息するだけに、日本人のエネルギーを強化してくれるのかもしれません。
しかもこの杉は、生産者がわかっています。最近は安全性を気にして生産者の顔がわかる食材を求める人も増えてきました。しかし住居選びに関しては、その素材にまで気を配る人はまだまだ少ないようです。でも考えてみれば、自分が住まう空間で使用する素材こそ、一番気をつけて選ぶ必要があるわけです。
癒しの空間は消費者の意識で作れる
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