第45回 聞き上手になる食事の仕方
先日、マクロビオティックのセミナーにいった。ここでは、食事の時、一口、ほんの親指の先ほどの食事を口に入れてから、200回噛むのである。噛んでいる間に「ありがとうございます」もしくは「アマテラスオオミカミ」という。これはおのおの10の言葉なので、1回「ありがとうございます」といえば、10回噛むことになる。
一口で200回噛んで食事をするというのは、かなり大変なことで、1日であごの筋肉が痛くなり、食事の最初の一口は「いたたた……」と飛び上がってしまうほどになった。
最初は、みんなもくもくと瞑想状態で食べているのだが、そのうち、一人一人が自分のことを自己紹介したり、今、考えていることを発表することになった。
話す人を一人決める。その人だけは食べられないが、その間は、自己紹介などをしていく。周辺の人は、ただただ食事をしながらその人の話を聞いているのだが、そのときに、200回噛んでいるのである。
話す人も、人びとが一生懸命聞いていてくれるので、安心して話せるし、聞く方も、自分の意見をさしはさむことはできないので、観念して、一生懸命に聞く。
食事のたびに、自己紹介を重ねれば、話す内容もどんどん深くなっていく。しかもこのような安心できる空間にいるので、たとえそのセッションで初めて会った人とはいえ、かなり深いところまで話してしまう。
終わったら、次の人が話し始め、また全員が口に食事を入れて噛む。噛むと脳が刺激されて、頭がよくなるし、若返りのホルモンがでる。ダイエット効果もあるし、噛んでいる時に「ありがとうございます」と唱えれば、よく咀嚼されたものが、体内に入り、よく消化され、いいエネルギーとなって循環する。いいことづくめだ。
だから少なくとも食事中は話をしないで噛むことに専念するのはどうだろう。昔の食卓では食事中に無駄話をしないで食べなさいといわれたものだ。しかし楽しい食卓でないと、消化が悪いという話も聞く。楽しくて、しかもよく噛める食事の方法が、この方法なのである
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