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第96回 肉体は老いても意識は自由自在

 

 もともと話好きの祖母だったが、若いときに一緒に住んでいたときは、祖母の話を聞くよりもテレビを見たり、勉強をしたりする時間を優先していた。だから祖母が話していても、じっくり聞いてあげたことがなかった。

 しかし話を聞きに行くと、祖母は本当に嬉しそうだった。それに祖母の話はじっくり聞いてみると、なかなかおもしろく、ためになることも多かった。そこで感心していると、祖母は、こうして話しを聞きに通うことがますますうれしそうに話を続けたものだった。寝たきりになってしまっても、話しを聞きに行くと、嬉しそうに寝床から這って出てきて、私の横に座り、少女時代の話しをするのである。

 そのときの祖母の肉体はすでにやせ細って、どう見ても87歳の老婆だが、気持ちは華やぎ、若い女性のフェロモンすらも感じさせるような色香が漂ったりした。

 そして祖母の青春の話しを聞くたびに、顔つきが全く変わるのを不思議な思いでみつめたものだ。そんな祖母の肉体と精神とのギャップが悲しくて、時には話しを聞くことが苦痛になったこともある。しかし祖母の喜ぶ姿を見られたのは、本当に幸せだった。何よりも祖母が昔の良き日の思い出を語るとき、意識はそこに飛んでいた。若くて、はつらつとした祖母がそこにいた。

聞くチカラ 祖母 祖母が生きている間は、祖母の話をまとめることができなかった。祖母の本『酬悲恩』を作ったのは、祖母が亡くなってから数年が経過してからだったが、生きている間に祖母の話を聞いていて本当によかったなとつくづく思った。

 祖母が残してくれた話をまとめ、母が描いた祖母の絵をイラストにして、父の俳句や題字を使って、その本は作られた。それが本好きの祖母に対する何よりもの供養にもなったのではないかと思っている。

 このように誰かの話を聞いて、インタビュー本を作ってあげるのは、楽しい試みだ。多くの人が自分の生きてきた証として、自分の一生を顧みるときがある。あるいは、一番輝いている時を何かの形にして残したいと思っている可能性がある。

 時のうつろいは非常に早く、あっというまにすべてが変化してしまう。宝石のようにきらめく時代も、人を愛しきった時も、心から喜んだ瞬間も、いずれ色あせて忘れてしまう。過去のことなど必要ないと思っている人もいるかもしれないし、私もその一人で、すぐに過去のことなどを忘れてしまう。しかし時には、ふと思いだし、ちょっと立ち止まっているのもよい。
 かつて味わった喜び、感動、生まれてきてよかったなと思った瞬間の話しなどをまとめて、インタビュー本を作ってみたらどうだろう。自分の命が最高に輝いている時の思い出として……。好きな人に話を聞いてみて、その人のために、インタビュー本をプレゼントしよう。
タイミングはいろいろある

 目標がないと、日々の時間を無駄にしてしまうことがある。そこで何か目標を作って本を出したり、文集を作ったりするのもよいし、ブログを書いたり、ホームページで発表するのもよい。

1)結婚式の思い出に
2)祖父や祖母の還暦、喜寿、米寿、卒寿などの思い出に
3)会社で退職をする上司や、何かの仕事を引退する人に
4)結婚●周年記念に
5)子供の結婚の祝いに

 このような時を目安に、当事者にいろいろ話を伺うのだ。特にお年寄りに聞くと大変喜ばれるだろう。

 
 
 

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