第88回 聴き方のコツ(技術編)
インタビュー中の聴き方のコツをあげてみた。これは普通のコミュニケーションにも十分に役立つと思う。
1)相手の言葉を遮らない
相手に話してもらっている間は、相手の言葉を遮らず、話を聞いた方が礼儀だと思う。しかし時には、時間やテーマの都合で、自分の聞きたいところだけを聞くこともあるのだが、やはり相手の話したいことを無視して、自分の都合だけを聞くというのは、どうも、私には苦手な作業だ。
まるで自分が搾取しているように思ったからだ。だから時間がある限りは、相手の言葉を遮りたくないと思う。
最近はテレビ番組の討論会などでも相手の言葉を遮ってどんどん話す風潮があり、きっとあれがおもしろいのだろうが、私はどうも苦手である。最後まで聞いていたいのに、どんどん重ねて話してしまうからだ。
テレビという性格上、一人の話をじっくり聞いているわけにもいかないので仕方がないと思うのだが、一対一のインタビューをするとき、そして時間も比較的あるときは、やはり相手の話を最後まで聞いてあげたいと思う。
2)まずは、すべてを肯定する
基本的に話を聞かせてもらいに行くわけである。議論をしにいったり、ディベートをするわけではない。もちろん、話をじっくり聞いた後で、どうしても納得がいかなければ、それに対してのコメントや質問をしてもよいかもしれないが、最初はやはり肯定をして、相手にたくさんのことを話してもらったほうが有意義である。
3)相手の目を見て、大きく相づちをうち、うなづく
これは礼儀としても当然のことだと思う。ましてやこちらは貴重な話を聞かせてもらうのだから、まさに「拝聴」し、相手に自分の誠実さを示す意味でも、きちんと目を見てうなづくことは大切ではないだろうか。
講演などをする場合でも同様で、前のほうで「うん、うん」と大きな笑みを浮かべながら聞いていてくれる人がいると、話す方も勇気を得て、思いがけないよい話ができることがある。
話をする、話を聞くというのは、キャッチボールと同じであり、いい受け手がいれば、いい話が自ずと生まれる。インタビューは気の流れから生まれる一種のコラボレーションなのである。相づちを打つときは、顔を大きく降り、声は相手を励ますように、相手が話すのに勇気を与えるエネルギーを送る。
4)相手の言葉を繰り返し、メモをとる
話の途中に相手が話した印象的な言葉を繰り返す。すると相手も喜んでくるし、その時にメモもとれる。
その印象的な言葉をきっかけにさらに話がふくらむこともある。相手の話を繰り返すときは、感動した口調で話そう。ただしわざとではいけない。本気で感動するのである。
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