第58回 「許せない」では浮かばれない
よく会話をしていて「許せないわ!」と口癖でいう女性がいる。単なる口癖なのか、あるいは本心から思っているのかわからないが、だいたいこのように言い切ってしまう女性は、潔癖な考え方の方が多いようだ。
だから自分を基準にして、相手に潔癖さや完全さを求めるから「許せないわ!」となることが多い。きちんとした生き方をしている人に多いように思う。
私個人としては、自分自身の弱さ、至らなさについて、ほとほと手を焼いているので、相手が何をしても相手ばかりを責められないという気の弱さもあり、通常、自分の周囲にいる関係者に対して「許せない」と怒ることは少ない。
だから楽なのだと思う。許してしまうこと。こんなに楽なことはない。人がストレスを感じるとき、怒りの感情で肝臓すらも悪くしそうな時、このような時は、「相手を許せない」と思うからなのだ。
相手を許せないから、つらい。苦しい。どうにかしてくれという思いでいっぱいになる。しかしひとたび、この思いを手放してしまったらどうだろう。
許せないから苦しいのだが、許してしまったら、その苦しみから解放される。しかも自分がいくら許せないと怒ったところで、相手への影響力は同じである。
ならばさっさと許してしまって、自分でその感情にとらわれず、楽しいことに時間を費やしてしまったほうが得策である。
許せないと思っていることをさっさと手放してしまおう。そのためには相手のよいところを探すのだ。相手が自分のためにいかにいろいろなことをしてくれたかを探していけば、許せないなどとはいっていられなくなる。
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