ホーム » インターネット コラム » 聞くチカラ » 第53回 過去のことさえ変えることができる

 
 

第53回 過去のことさえ変えることができる

 

 過去のことなんて、変わるはずがないとずっと思ってきた。未来は自分の考え方で変わるとは思うが、一度起きてしまった過去のことなど、どうしたら変わるのだろうか?と。

 ところが過去は変わるのだと知った。例えば私の場合は、かなり暗い子供時代を送ったような記憶が多く、人間嫌いだったし、なるべく人とかかわらないで生きていきたいと思っていたこともあるのがひとつの見方だった。

 しかし多くの人から思い出を語ってもらうと、かなりのひょうきん者で、いつも人と一緒にげらげら笑っていたし、笑いを提供するのも私だったようで、決して暗い子供でもなかったようである。

 親や祖母に対しても、一時、反抗期の時などは、大切な人たちに向かって反抗したり、すごい口のきき方をしたものだと思っていた。そこで長年、それを心苦しく思っていて、ある時思い切って母に謝ったことがある。

 「反抗ばかりして悪かった」というような話をしたら、「あなたは、すごく素直だったわよ」といわれてあっけにとられたことがある。
聞くチカラ 過去
 母も相当楽天的な人で、いやなことはすべて忘れてしまうのだが、同じ過去を共有していても、これだけとらえ方が違うのである。

 そこで今度は、自分のよい面や楽しかったこと、得意だったことや、ほめられたこと、いかに愛されてきたかということを思い出してみたら、忘れていたことがたくさん思い出されていた。

 なんと自分は幸せ者か! 喜びがふつふつと湧いてきた。祖父や祖母を含めて両親や親戚の人々の愛情溢れる場面が次から次へと浮かんできた。なるほど、過去はみごとに変わってしまったのだ。

 自分がいじけていて、素直でなくて、厭世的で、人間なんて嫌いだなんて思っていたことは、ひとつの事実でもあるが、もうひとつの明るくて、素直で、思いやりがあって、人を元気づけるというような対極の能力も発見することができたのと同時に過去が変わってしまったのである。
だから今、親との葛藤があったりして、自分の過去のことを暗かったという人でも、過去のとらえ方によっては、親との蜜月時代を思い出し、自分の過去の暗さを変化させることもできるのではないかと思う。
 自分の過去を見るとき、光の当て方で暗くも明るくもなる。そして今、その人が話している過去の物語は、今のその人のとらえ方の結果なのである。




このエントリーをはてなブックマークに追加
Bookmark this on Yahoo Bookmark

Comments are closed

Sorry, but you cannot leave a comment for this post.