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第33回 母の優しさ

 

 ある場面を思い出した。
 子供の頃、2階の畳の上で遊んでいたときである。真ん中には、障子が横においてあった。母が障子の紙を貼り替えようとして、そこにおいたまま、何か用事があって外出したのだろう。

 私はその障子の回りを飛び回って弟と遊んでいたのだが、勢い余って障子の真ん中にあるガラスの上に足をかけてしまい、その瞬間に、ぐしゃりとガラスを割ってしまったのだ。

 「あ!」と思ったときは、ガラスは割れていた。どうしよう!足の痛みなどは忘れて、その場に座り込み、どのように母にいいわけしたらよいか、ずっと考えていた。
聞くチカラ ガラス
 すると階下から母の「ただいま!」という声がした。いつもなら母が帰ってくるのはうれしいのだが、この日ばかりはそうはいかない。暗くなった部屋で電気もつけずに座り込んでいると、母が部屋に入ってきて、電気をつけた。

 その瞬間、割れたガラスが目にとまった。「ごめんなさい!」と謝る前に、母は、「足、大丈夫!」と聞いたのだ。ひどく怒られるとばかり思っていたのに、このときばかりは、びっくりするやら、うれしいやら。本当に母が私のことを心配してくれていることがよくわかったものだ。

 このようにとっさの時、相手を思いやることができるのか? 思いやりの心を培っておくためにも聞き上手になっていよう。






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